予防接種

当院の予防接種について

当院では以下のワクチン接種を行っています。
ご希望の方は、診療時間中に電話で予約してください。

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)

性交渉による子宮頸がんを防ぐHPVワクチンをお勧めします!

HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がん

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タイプ16、18型のHPVウイルスは、子宮頸がんの原因となるウイルスですが、それ以外にも外陰がん・腟がん、男性も含めた肛門がんや中咽頭がんのおもな原因となっています。

性交渉の皮膚接触により感染し、成人女性の約半数が感染するといわれていますが、一過性のもので、免疫力があれば2年ほどで自然消失します。

しかしまれに、子宮の入口に癌の初期のものが生じ、一部が進行し、上皮内癌へと進行することがあります。

残念ながら現在のところ、感染により生じた病変およびウイルスを、投薬などで排除することはできません。

したがって、HPVへの感染予防は、重要であり、とくに若年層へのHPVワクチン接種は必須といっても過言ではありません。

【ご参考:京都産婦人科医会】

2025年3月まで無料で打てるキャッチアップ接種

2013年1月から定期接種であったHPVワクチンは、6月から任意となり、70%程度だった接種率がほぼ0%まで低下し、ゆゆしき事態となりました。

その後、厚生労働省が検討を重ね再度、定期接種となり、その間(2013~2021年)に接種機会を逃した方には、2025年3月まで無料で接種(キャッチアップ接種)できることになりました。ぜひ、この機会をとらえて接種してください。

HPVワクチンの対象年齢

  1. 定期接種:小学校6年生から高校1年生まで(高校1年生の3月末まで)
  2. キャッチアップ接種:1997年4月2日から2008年4月1日の誕生日の女性で、HPVワクチン接種を行なっていない方。また、3回接種を行なっていない方。

京都市在住で定期接種を3回完了していない方には、2023年5月から7月までに通知が届きますが、ご希望があれば、通知前でも接種は可能です。なるべく早めに接種されることをお勧めします。

【ご参考:京都市】 【ご参考:厚生労働省】

HPVワクチンの種類や接種回数

接種するワクチンには、4種のHPVに対応した「ガーダシル」と、9種のHPVに対応した「シルガード9」の2種類があります。当院では、幅広いタイプに対応した「シルガード9」をお勧めしています。

シルガード9の接種は原則3回ですが、定期接種対象の小学校6年生から14歳まで(15歳未満)は2回接種が推奨されています。このワクチンは、2014年12月に米国で承認され、世界80カ国以上の国と地域で使われています。

HPVとワクチン

HPVワククチンを接種するには、新型コロナウイルスワクチン等の接種から2週間以上あける必要があります。

また、定期接種の方(小学校6年生から高校1年生まで)は保護者同伴のうえ、母子手帳を持参してください。また予診票があれば、そちらも持参願います。

キャッチアップ接種の対象の方は、本人の同意のみで接種は可能なので、予診票があれば持参してください。

HPVワクチンの種類と接種回数、持参品、費用

3種類いずれも、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。

  • ※1: 1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
  • ※2・3: 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます。
  • ※4・5: 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の1か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※4)、3回目は1回目から5か月以上、2回目から2か月半以上(※5)あけます。

HPVワクチン接種とあわせて子宮がん検診を

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ワクチン接種は、子宮頸がんの一次予防となりますが、二次予防として「子宮がん検診」が重要となります。
20歳を過ぎれば、ぜひ子宮がん検診を受けるようにしましょう。

京都市では20歳になれば無料クーポンがはがきで配布されます。また、検診を受けられた方にはSMSによる次回がん検診のお知らせメールが届くようになります。

自分自身の身体を守るためにも、ぜひHPVワクチン接種と子宮がん検診の活用をお勧めします。

MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)

結婚前には忘れずにMRワクチン接種を!

はしかと風疹には注意しよう

麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)は、麻疹(はしか)と風疹(三日はしか)を予防するためのワクチンです。

麻疹(はしか)は麻しんウイルスによって起こる感染症で、免疫のない人が感染するとほぼ100%発症し、成人では高熱、咳、鼻水、発疹などの症状がでてきます。また、このウイルスは空気感染によって発症し、感染力は強く、妊娠中に発症すると、強度の咳のために流産や早産の原因にもなりかねません。

風疹(三日はしか)は風しんウイルスによって生じる感染症で、不顕性感染から発熱、発疹、リンパ節の腫れ、風邪の症状などが生じますが、症状の幅が広くて診断は困難です。

妊娠20週までの妊婦さんが感染すると、胎児に難聴、白内障、先天的心疾患、低体重での出生など、先天性風しん症候群が発生する可能性があります。

【ご参考:https://www.niid.go.jp/niid/ja/crsqa.html】

現在、MRワクチン接種は1歳と6歳時の2回接種ですが、これまでの制度改変が影響し、特に成人男性(43~60歳)では抗体保有率が低くなっています。またMRワクチンは、生ワクチンのため、妊娠中には接種できないので注意が必要なので、早めの接種をお勧めします。

fushinteiki3-2(京都市の成人風しん追加対策のページから).jpg

家族の協力が感染を防ぐ

妊婦健診の際に妊婦さんの風疹抗体価が16倍以下の場合、ご主人を含めた同居家族の皆さんに風疹抗体価検査を実施します。そして、その値が低い場合、家族みなさんにMRワクチン接種を実施し、感染を防ぐ必要があります。

当院では、抗体価の低い妊婦さんには、産後1カ月検診時に、ワクチン接種をしています。皮下注射なので、その他のワクチン接種に比べ、疼痛もわずかで、発熱もほとんどありませんのでご安心ください。

ブライダルチェックや不妊治療検査の際にも風疹抗体価検査を実施しており、抗体価の低い場合にはワクチン接種をしています。京都市では女性本人と、同居者にもワクチン接種の補助がありますのでご活用ください。

またワクチン接種後、2カ月は避妊が必要です。そして、他の生ワクチンを接種する場合には、27日以上あける必要があります(他の不活化ワクチンについては、この間隔は不要)。

【ご参考:https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000163145.html】

インフルエンザワクチン

早めの接種でインフルエンザを予防しよう

毎年変化するインフルエンザには細心の注意を

インフルエンザワクチン皆さんもご存じのインフルエンザは、インフルエンザウイルスによって生じる気道感染症で、冬の時期に流行します。

ウイルスにはA、B、Cの3型があります。季節性インフルエンザはA型とB型が原因ですが、数年ごとにその亜型が変化するため、毎年予防対象となるワクチンの種類が微妙に変化します。

症状としては、38度以上の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状をはじめ咳、鼻汁などの強いかぜの症状がでてきます。

妊娠中に感染すると、自然流産、早産、低出生体重児など、重篤な合併症を生じる可能性があるので注意が必要です。

予防にはワクチン接種が有効

インフルエンザの予防には、一般的なウイルス予防策(マスク、手指消毒、適度な湿度の保持、栄養補給と体力維持、三密をさける)が有効ですが、それでも感染するリスクがあるため、事前のワクチン接種が重要となります。

インフルエンザワクチンは感染予防効果が高いとともに、感染した場合でも重症化しにくいといわれていますので予防接種を心がけてください。

当院では流行期前(10月中旬以降)から希望される妊婦さんに防腐剤(エチル水銀)を含まないワクチンシリンジの接種を行なっています。皮下注射なので、痛みもわずかですし、発熱などもほとんどありません。

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